【羊蹄山1893.0m 喜茂別コース】晴れ時々曇り
平成21年5月10日
コースタイム
8:20 登山口 登り 6時間20分
9:20 林道500m地点 下り 1時間25分
10:55 1000m地点 7℃ 標高差 1500m
14:25 火口壁のコル
:40 頂上1898m
:55 火口壁のコル
16:20 登山口
▲泊:ニセコ 五色温泉(自炊)
メンバー 内田、丸尾、春(2300m途中)
朝4時半に目覚める。窓から外を見ると周囲の山はガスがかかり、麓の方しか見え
ないが、明るい。北海道に来てからの定番朝風呂に出かける。浴室外の露天風呂に身
を沈める。温泉地特有の硫黄のにおいが立ち込め、目の前には、遅い雪解けを待つ残
雪がたっぷり残っている。瞼を閉じると、これまでの楽しかった山行が思い出される。
贅沢な至福のときを過ごす。冷たい風で我に帰り、今日の登山ルートに思いを馳せる。
部屋に帰り、夕食のすき焼きの残りにうどんを入れた朝食を食べる。美味しい。
後片付けや山行準備、車へ所帯道具の搬入などをしていると、五色温泉発が遅く
なってしまった。また、途中でガソリンを入れる。羊蹄山・喜茂別コースの登山口に来ると、
8時を過ぎていた。車を倉庫小屋横の雪切れスペースに駐車。
登山口からは、林の中を先の林道に向かって真っすぐ続く道を歩く。少し歩くと雪が出て
きたので、シール登高を始める。うぐいすのさえずりを聴いていると、定番のホーホケキョと泣
くのが少なく、ホーケキョ、ホーキョケキキョ、キーケキョキとか色々めずらしい鳴き声で面白い。
北海道バージョン?
標高500m辺りで林道が九十九折になり、樺の木が多くなってくると、いよいよ本格的な
登りになる。春さんのピッチが今一つ上がらない。尋ねてみると、腰が痛むようである。
しばらくは一緒に登ったが、マイペースで行ける所まで頑張ってみると言うことなので、
春さんと別れ、丸尾さんと二人で、ダケカンバの大木が多い斜面を、頂上目指して登る。
ルートは、右側に深い沢を見ながら、写真を撮りながら、ゆっくりと爺ちゃんスピードで進む。
800m辺りから広い斜面が上部へと続いている。950mに来ると、頬をなでる風が冷たく気持ちがいい。
高度を上げるに従い、800m辺りから木々の間隔が広がり、1000m付近まで来ると森林
限界が近く、斜度も増してくる。ジクを緩やかに広く切りながら高度を上げる。
1200m辺りに来ると展望が効き、尻別岳がよく見える。一昨日降った新雪も現れた。
1400mからは、盛り上がる尾根の左側に進み、ここから、左下の沢の源頭部急斜面をシール登高する。
傾斜は約40度。雪は緩んだザラメなのでシールがよく効く。登高ペースを測ると、
100mで20分なので調子はいいが、呼吸は少し粗め。
標高が上がるにつれ傾斜は更に増し約45度。呼吸が荒 くなる。
斜面は、足下から滑り台のように下へと続く。高度感抜群。
出発が遅かったので、2時半頃に火口壁のコルに出る。もうこれで登らなくていいんだ。
標高差約1500mを登ったことになる。直ぐにザックとスキーをデポし、空身で頂上往復。
1898mの頂上の天気は良く、360度の大パノラマ。遠く日本海も見える。頂上お釜の雪は多く
昨日滑ったシュプールがきれいに残っている。お釜を滑りたい気持ちをグッと我慢する。
記念写真を撮り、すぐ引き返す。
滑降準備万端。まっすぐ落ちていく急斜面を滑る期待感に心が躍る。丸尾さんが先に
スタート。急斜面だが、雪は緩んだ湿雪なので恐怖感はないが、少し重く回転しにくいので、
ジャンプターンで切り抜けていく。下るに従い斜面は広くなり、45-40-30度と変化する
オープンバーンをどんどん滑っていく。眼下に、山麓や尻別岳、支笏湖方面などを見ながら
滑るのは気分爽快。
標高を落としていくと、前方に赤いものが見える。赤いヒグマ?、と思いながら近づいて行くと、
何と春さんだ。体調が悪い中頑張って1300mまで登ったんだ、我々が下りてくるまでの長い間
辛抱強く待っていてくれたんだ、我々と一緒に頂上へ行きたかっただろう・・・。
春さんの心の中を思うと、何か熱いものが込み上げてくる。
さあ、どんぐり3爺が揃ったぜ。ダケカンバの樹木の間隔が広がる斜面を思い思いの
シュプールを描きながら滑っていく。
550m辺りからは、なるべく登りのトレースを探しながら滑り下りる。
往路のシール登高を始めた所でスキーを担ぎ、羊蹄山を背に、標高差約1500mの登りと
大滑降を終えた、心地良い疲れと充実感を感じながら登山口へ下山。
帰る準備をして車に乗り、宿泊地の五色温泉へと車を走らせた。
=====記 : 内田=====
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