神戸山スキークラブ

 K.M.S.C.
Kobe Mountaineering Ski Club 針の木岳 山スキー報告
関西から希望と元気を届けよう
ようこそいらっしゃいませ!! どうぞごゆっくりと!! 山スキーを楽しみましょう!! 入会をお待ちしております!!

日 時  2011年04月17日(日)
場所・山域  針の木岳・後立山
メンバー  春・籔田・宮崎・池渕・清本=5名
天 気  日本晴・稜線弱風
ルート  扇沢案内センター下~大沢小屋~マヤクボ沢~針の木岳~往復
スタイル <アルペン4名/テレマーク・1名
温 泉 <大町温泉郷・薬師の湯

当初土日の2日間の予定が土曜日天候に見放され日曜日日帰りの強行軍に変更
16日(土)夜,何時もの様に待ち合わせて乗り合わせ,何時もの様に交代で車操縦して高速を走り,何時もの様に駐車場で僅かな仮眠を取る,そして何時もの様に速攻で車内で朝飯を食べる。

仮眠後も倦怠感が取れず、どんよりした気分のまま外に出ると、ひんやりした空気の向こうに朝日が射していることに気づく。お天気は上々!気持ちの高鳴りを感じる。

6:37 1430m扇沢無料駐車場出発。道路を挟んだ建物(旧レストラン)の前からいきなりシールで歩き始められるのが、このルートの良いところ。(外気温-3℃)
7:27 左岸から砂防堰堤を巻いてトラバース気味に進むと、針ノ木雪渓に降り立つ。目の前には、紺碧の空と真白に光る峰が広がる。陽が昇ってからは、ぐんぐん気温は上がってきたが、まだこの時間帯は谷が日陰になっている部分も多く、救われる。

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6:50 扇沢センター案内下の河原よりシール登行
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雲が取り除かれ青空が出てくる
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7:30 正面中央遠くの針の木岳を目指して
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赤沢岳方面の稜線

7:54 赤石沢との出合。ここからはもう日陰はない。皆、上一枚になってのシール登高。左岸支尾根の雪屁崩落が何箇所かあったが、大雪渓内は然程荒れてはいない。
でも、昨夜降雪があったのか1cm程の新しい雪が乗っており、歩きながら「溶けてくれないとストップスノーになるんじゃないかなぁ」と心配する声があがる。

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左手に赤石沢の末端
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8:03 快晴の中傾斜の緩い大雪渓を詰める

9:11 2250m二股(マヤクボ沢出合)。マヤとは猟師ことばでカールのことを指し、クボは窪地のことらしいが、名前に反して、この沢に入ってから、斜度が急にきつくなってきたように思うのは私だけだろうか。
マヤクボのコルを目指して、一同ここでスキーアイゼンを装着。これまで先輩たちに言われてきたアドバイスを思い出しながら、自分ではストックを後ろ気味に突き、シールが効いていることを確認して登っている・・・つもりだったが、踵に重心が乗っていないのか、ズルりっ!こんな所で滑落したら、この数時間が無駄に終わってしまう。
無念だが私ひとりシールを断念してアイゼン歩行に切り替える。でも、これが厄介だった。新雪が団子状になって、踏み込むごとに高下駄状態になり、ストックで叩いてもなかなか落ちてくれない。体のダルさも手伝って、頂上に行きたいという気持ちはどこかに吹き飛んでしまっている。

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8:04 振り返ると真正面に爺が岳
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9:18 爺が岳にもまだまだ豊富な雪が残る

11:19 2700mマヤクボのコル。ようやく稜線上に到着し、そそくさとアウターを着こむ。
見上げると、100mほどのガレた岩稜帯。これを登らなければ針ノ木岳にはたどり着けないらしい。過去には北西側(コルの右側)から登ったらしいとの情報を頼りに登り始める。
雪が薄く付いたガレた斜面をトラバース。足元が崩れたら、あっという間に黒部湖までダイブしそうだ。救いは、雪が薄い割にはピッケルのピックとアイゼンの前2本の効きが、まずまずだったこと。
落石せずにスピードアップするために、途中からロー・ダガー・ポジションに切り替えて稜線まで登る。後続は途中から左寄りの稜線伝いに登っている様子。

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9:18 此の辺りから傾斜がきつくなるマヤクボ沢
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11:18 やっとこさマヤクボ沢コルに到着
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雪が吹き飛ばされた岩稜帯の針の木岳ピークへと
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コルよりスバリ岳方面
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岩稜帯の針の木岳ピークへ緊張の登り
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後続(中央下2名)の針の木岳ピークへと2
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間も無く針の木岳ピークへと3
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針の木岳ピークへと頂上直下

12:29 頂上直下の稜線。想定外の緊張感から解放されたことを稜線で喜び、しばし写真を撮影。
12:39 2820m針ノ木岳頂上。眼下の黒部湖、対岸の五色ガ原、立山~タンボ平、剣岳がよく見渡せる。風もなく、陽光を浴びながら過ごす頂上、なんて気持いいんだろう。記念撮影の後、これからの滑走に向けて、腹ごしらえをする。

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ピークより槍ヶ岳方面の眺望
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ピークより中央に剱岳の雄姿
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頂上集合,アルカイダーのメンバーとちがうでぇ~
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では,ぼちぼち飛び込みますか

13:00 滑降スタートポイント。下りはピークからこぶを1段滑りおりた所からマヤクボ沢に入る。覗き込むと、急傾斜に加え、右手の岩が出たノド部分が恐怖心を一層駆り立てる。
撮影ポイントを打ち合わせ、突撃隊長のH氏が奇声をあげて飛び込む!少し斜面が堅いのか、ターンごとにエッジが唸っている。それでも臆することなく、Y氏とI氏があとに続く。
あっ~私の番だ!!後に残っていたM氏が励ましてくれるが、やっぱり怖い。自分を落ち着かせるために、下に3歩降りてからちょっと斜滑降してみる。1回ターンできたが、幅が狭まり、ノドの部分に差し掛かると、丸っきりダメ。
斜滑降でくだっていくのが精一杯で、ジャンプターンをする勇気が出ない。私がいつまでも斜滑降をするものだから、下でカメラを構えているI氏やH氏の頭上にバラバラと雪塊が降っていく。それでも滑りやすい斜面の指示を下さったり、見本を見せてくださったりと、本当に感謝である(涙)。
意を決して、シュテムターンをしてみる。やってみると、案外暴走しないことが分かる。そうなると、ビビっていたくせに、もう一回登り返して上から滑ってみたい気持に駆り立てられる。
Y氏が「針ノ木だったら何回でも行きたいわ~」って言われていた意味がちょっとだけわかった。私もまた来た~い!

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13:15 頂上よりドロップする仲間達
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今一の雪質だが急斜面が楽しや
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頂上直下を見上げる
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ターンをする度に大根おろしの様に雪が落ちる
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傾斜が緩んだ所で緊張の心拍数の余裕が出た!
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余裕が出たのでかっ飛びます!!
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パウダーでは無いですが爽快です!
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パウダーであればもっともっと快適ですが!

13:55 核心部の針ノ木峠とマヤクボ沢の分岐点まで滑って、合流。皆、思いおもいに雪に転げて体の火照りを冷やしたり、滑って来た斜面を振り返ったりして過ごす。リベンジを果たしたM氏も満足のご様子。 14:41 1430m カールから下は、1回休憩を挟みながら、思い思いのコース取りで好き勝手に滑りおりて扇沢(旧)レストラン前に到着。 パッキング後、信濃大町に移動。ここまで下りてくると、桜も咲き始めており、至る所でこぶしの花が枝いっぱいに白い花をつけている。「薬師の湯」に浸かったあとはお蕎麦を堪能しながら、今日1日を振り返った。標高2800mから登ってきた谷筋を高度差約1400m、全長約3000mを滑ることができる針ノ木雪渓。文字通り、身も心も満たされた1日だった。 (記録:清本)

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ログ
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春スキー日和の大休息
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愛機の休息
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14:30 名残惜しむ針の木大雪渓
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筋肉痛の解し所大町温泉郷薬師の湯

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